■2018/1/22
現在9:30。
手術開始予定まであと2時間半、全麻なのでもはや水も飲めない。
すでに手術着を着ているが、下はまだ下着とパジャマのズボンを履いている。
直前に下は全て脱いでT字帯という名のふんどし一丁となるのだ。
左腕にはすでに点滴がされている。
鏡で舌を見ると見つけた当初より明らかに癌が大きくなっているが、
医者に言わせると当然で、だから早く手術する予定を組んだとの事。
そんなものか。
手術そのものは寝ているうちに終わるから怖くないが、術後どうなるのかが怖いのだ。
舌は再建が必要なほど大きくは切らない予定ということだが、
状況によって切除範囲が広がる可能性はゼロではないとか言っていて勘弁して欲しい。
ただ、麻酔から覚めてどうなっているか、今から考えたってわかるわけないよなぁ。
11時頃に家族が来るまでラウンジでテレビを見る。病室のベッドは気が滅入るので。
直前に血圧測ったら何と上が170超え!
これには看護師も驚いて、ベッドに横になって大きく深呼吸をと言われる。
そんなに緊張しまくっているのか?

しばらくして再度測って何とかパスし、
「さあ、行きましょうか」と看護師に促され、手術室へと歩いて向かう。
手術室は病室と同じ階にあり、
曇りガラスがはめ込まれた大きな2枚の自動ドアに「手術室」と大書してある。
付き添いの家族はここまで。
ドアの外で不安そうに見つめるカミさんと母親の前で静かにドアが閉まる。

中の看護師に名前と生年月日を聞かれ、腕に巻いたバーコードを機械で読み、
何の手術か、どっち側か、と細かく確認された後、こちらへどうぞと案内される。
手術室の大きなドアから入った中はかなり広く、手術室もたくさんあるようで、
結構歩かされた後11番の手術室に案内される。
手術台に乗って酸素マスクを当てられ、
「これから眠くなる薬を注射しますね」と言われたのを聞いて
「宜しくお願いします」と覚悟の挨拶をする。
すぐに「はい、宜しくお願いします」という何人かの声が重なって返ってきた。
その後うとうととなっていつの間にか眠ってしまう・・・という想像をしていたのだが、
そこからブツッと記憶がいきなりなくなる。